あなたの FIRE シミュレーター、Monte Carlo の真ん中が標準シナリオと合ってますか
「Monte Carlo は悲観的すぎる」と感じたことありませんか
FIRE シミュレーターで Monte Carlo (モンテカルロ) 機能を使ったとき、 「真ん中の結果が思ったより低い」「悲観的すぎて信用できない」と感じたことありませんか。
実は、その違和感は あなたのせいでも、市場のせいでもない。 多くのツールに 計算手順のミス があるからです。
この記事では、Monte Carlo の中央値 (P50) と固定リターンの結果がズレる 「あるある問題」と、それを正しく計算する方法を解説します。
固定リターンと Monte Carlo の関係
固定リターンのシミュレーションは「年 5% で運用したら 30 年後にいくら?」のような単純計算。 結果は 1 つの数字 (例: 1,000 万円が 30 年で 4,322 万円)。
Monte Carlo は「年平均 5%、変動 ±15%」のような市場のブレを反映して 1,000 回シミュレーションし、結果の分布を出します:
- 下位 10% (P10): 悲観シナリオ
- 下位 25% (P25): やや悲観
- 中央値 (P50): 真ん中
- 上位 25% (P75): やや楽観
- 上位 10% (P90): 楽観シナリオ
ここで重要なのは:「真ん中 (P50) は、本来、固定リターンの結果とほぼ一致するはず」ということです。1,000 回シミュレーションの中央値が「年平均 5%」での計算結果と 大きく違ったら、何かがおかしい。
多くのツールで真ん中がズレる
ところが、多くの FIRE シミュレーターで、Monte Carlo の P50 が 固定リターンの結果と 大幅にズレています。
特に変動の大きい商品 (株式 100% など) で 20-30 年シミュレーションすると、 P50 が固定リターン結果の 30-45% も低く 出ることもあります。
原因は数学的なミス
この乖離の原因は、計算手順の作り方にあります。技術的な詳細は割愛しますが、 ざっくり言うと:
- 市場のブレを 正規分布 でモデル化して計算する → P50 が低く出る
- 市場のブレを 対数正規分布 (log-normal) でモデル化する → P50 が正しく固定リターンと一致する
どちらも統計の標準的なツールですが、複利計算と相性が良いのは log-normal の方。 多くのツールが正規分布で実装しているため、長期計算で P50 が下振れする現象が起きます。
逆の現象もある
ツールによっては、逆に P50 が 固定リターンより高く 出ることもあります。 理由は計算手順次第ですが、いずれにせよ 真ん中が標準シナリオと合わないツールは要注意。
「真ん中」が正しい位置にないと、楽観シナリオ・悲観シナリオの幅も信用できなくなります。 FIRE 計画の意思決定に Monte Carlo を使う意味が薄れる。
人生コンパスでの実装
人生コンパスは Monte Carlo を log-normal でサンプリングしています。 結果として、P50 = 固定リターンの結果 が成立します。
この整合性が取れているからこそ:
- 「真ん中」を信頼できる
- 「楽観」「悲観」の幅も意味を持つ
- 5 シナリオ (P10/P25/P50/P75/P90) を FIRE 計画に反映できる
あなたのツールを検証する方法
今使っているシミュレーターで、Monte Carlo の P50 が正しいかチェックする簡単な方法:
- 固定リターン (年 5% など) で 30 年シミュレーションし、最終資産を確認
- 同じ条件で Monte Carlo を 1,000 回実行し、P50 (中央値) を確認
- 両者の差が ±5% 以内 なら正常
- 差が 10-30% を超える なら数学的なミスがある可能性大
この検証は数分でできるので、自分が使っているツールがどうなっているか 一度確かめてみることをおすすめします。
FIRE 計画の信頼性を担保する
Monte Carlo は FIRE シミュレーションの中で最も重要な機能の 1 つです。 市場のブレに対する FIRE 計画の頑健性を見るための装置。
その装置が 数学的に正しく動いている ことは、 FIRE 計画の意思決定の前提として最低限満たすべき条件です。
人生コンパスで Monte Carlo を実行する
P50 = 固定リターンの整合性が取れた Monte Carlo。5 シナリオを自動生成して FIRE 計画に反映できます。
Monte Carlo を試す