投資の深堀り
集中投資 vs 分散投資 — 何銘柄持つのが最適か (相関分析の実例)
「インデックス vs 個別株」の本当の答え
投資の議論で必ず出てくる「インデックスにすべきか、個別株を選ぶか」。 意見が割れる理由は、「最適な銘柄数」 という観点が抜けていることが多い。
この記事では、分散効果が銘柄数とともにどう変化するかを示し、 子育てファミリーの FIRE 計画に最適な選択を解説します。
分散の効果は何銘柄で頭打ちか
個別株を 1 銘柄ずつ増やしていったとき、ポートフォリオのリスクがどう変わるかの古典的研究:
- 1 銘柄: リスク 約 50% (個別企業の倒産リスク含む)
- 5 銘柄: リスク 約 28%
- 10 銘柄: リスク 約 23%
- 20 銘柄: リスク 約 20% (ここで頭打ちに近い)
- 50 銘柄: リスク 約 19%
- 100 銘柄: リスク 約 18.5%
- 500 銘柄 (S&P500): リスク 約 18%
重要なポイント:
- 20 銘柄で分散効果の 80% は達成
- 20 → 100 銘柄では効果は限定的 (約 1.5pt の改善)
- ただし「20 銘柄を自分で選ぶコスト」は莫大
S&P500 (500 銘柄) の優位性は「自動でリスクが最小に近い分散をやってくれる」こと。 個人が 20 銘柄を選んで管理するより、インデックスに任せる方が合理的なケースが大半。
3 つの選択肢
選択肢 A: インデックス 1 本
全世界株 (ACWI) または S&P500 を 1 本だけ持つ。
- 銘柄選定の手間ゼロ
- リスクは最小水準
- 信託報酬 0.1-0.2% で運用コスト最小
- 子育て期に最適
選択肢 B: インデックス + 個別株サテライト
コアにインデックス (80-90%) + 好きな個別株 3-5 銘柄 (10-20%)
- 趣味としての個別株は楽しめる
- 失敗してもポートフォリオ全体への影響は限定的
- NISA はインデックスで使い、特定口座で個別株
- 「インデックスだけだと退屈」な人向け
選択肢 C: 個別株 20-30 銘柄
自分で個別株を選んで分散ポートフォリオを作る。
- 銘柄分析・選定のスキルと時間が必要
- リバランス、決算追跡、ニュース対応など継続コスト大
- 子育て中の親には時間的に厳しい
- 結果的にインデックスを大きく上回る確率は 低い
プロでもインデックスに勝てない
SPIVA Report (S&P Dow Jones) の長期データ:
- 15 年スパンで、米国アクティブ投信の 85% 以上が S&P500 に負け
- 20 年スパンでは 90% 以上が負け
プロが莫大なリソースをかけてもインデックスに勝てない。 個人投資家が「個別株で勝てる」と思うのは、概ね幻想に近い。
子育てファミリーへの推奨
- 第一推奨: 選択肢 A (インデックス 1 本)
- 第二推奨: 選択肢 B (インデックス + サテライト 10-20%)
- 非推奨: 選択肢 C (個別株メイン)
子育て期は時間がない、ストレスを増やしたくない、失敗リスクを取れない。 この 3 条件全てがインデックスに向いている。
人生コンパスで試す
人生コンパスの `/investment` は 16 商品のインデックスカタログ から選ぶ設計。 個別株は扱わない、というのは「子育て中の親が間違って集中投資しないため」の哲学。
試してほしい設定:
- NISA に全世界株 100% で 30 年計算
- NISA に全世界株 + S&P500 + 新興国 + TOPIX の 4 分散で計算
- 合成リターンとリスクを比較 → 4 分散の方がリスクがやや下がる程度の差
「インデックス内の分散」は限定的な効果。むしろ 株 + 国債 + 金の資産クラス分散の方が効きます (記事 21 参照)。