投資商品の選び方
金 (Gold) を 5-10% 入れる効果 — インフレヘッジとしての価値
金 (Gold) は古くて新しい資産
「金は利回りがない」と言われ、長らくインデックス投資家には軽視されてきました。 しかし 2020 年以降のインフレ局面で、金は 株式と異なる動きを見せ、 ポートフォリオ多様化の重要なピースとして再評価されています。
この記事では、子育てファミリーのポートフォリオに金を 5-10% 入れる効果と注意点を解説します。
金の 3 つの役割
役割 1: インフレヘッジ
金は 通貨価値の下落に対する保険。 紙幣を刷ればインフレが起きるが、金の量は地球上で有限。 歴史的に高インフレ局面では金が値上がりする傾向が強い。
- 1970 年代のスタグフレーション: 金は約 24 倍に
- 2008-2011 年 (リーマン後): 金は約 2.5 倍に
- 2020-2024 年: 金は約 1.5 倍に
役割 2: 株式との低相関
金と株式 (S&P500) の相関係数は約 0.0-0.2 (ほぼ無相関)。 株式が大きく下げる局面で、金が値上がりする場面が多い。
例: リーマンショック (2008) で S&P500 -38% の年、金は +5%。 コロナショック (2020 年 3 月) では一時的に両方下げたが、回復は金の方が早かった。
相関の低い資産を組み合わせる = ポートフォリオ全体のリスクが下がる、というのが 現代ポートフォリオ理論の核心。金は株式との相関が低いため、5-10% 入れる効果が出やすい。
役割 3: 地政学リスク対応
戦争・地政学的緊張・通貨危機など、株式が下げるイベントで金は逆に上がることが多い。
- ロシア・ウクライナ戦争 (2022): 金は急騰
- 中東情勢悪化時: 金が買われる
- 新興国通貨危機時: 金が買われる
金の弱点
- 配当・利息なし: 金そのものは収益を生まない (値上がり益のみ)
- 長期では株式に劣る: 30 年スパンでは S&P500 が圧勝
- 保管コスト: 現物保有の場合は保管料、ETF や投資信託でも信託報酬
- 為替リスク: 金は USD 建てが標準
子育てファミリーへの推奨配分
- 無難: ポートフォリオの 5% を金
- 守り重視: 10%
- NG: 20%+ (株式の機会損失が大きすぎる)
子育てファミリーの王道配分: 全世界株 70% + 個人向け国債 15% + 金 5% + 現金等 10%
人生コンパスでの試算結果
デフォルトシナリオで金比率を変えた場合:
- 金 0% (株 100%): FIRE 約 54 歳、悲観 P10 60 歳
- 金 5%: FIRE 約 54-55 歳 (ほぼ同じ、悲観 P10 で若干優位)
- 金 10%: FIRE 約 55-56 歳 (1-2 年遅れ、ただし悲観時の安定性 +)
- 金 20%: FIRE 約 56-58 歳 (株式の機会損失大)
平常時の FIRE 達成年齢への影響は小さく、悲観シナリオでの「もしも」の備えとして効く。
金の購入方法
- 投資信託 (推奨): 信託報酬 0.1-0.3%/年、NISA 対象もあり (例: SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド、楽天ゴールド)
- ETF: GLDM (USD 建て)、純金上場信託 (1540) (円建て、東証)
- 現物 (田中貴金属等): 保管リスクとコスト大、おすすめしない
子育てファミリーなら投資信託で十分。NISA 枠に余裕があれば NISA で。 税効率を考えるなら特定口座でも OK。
受給開始タイミングのスライド戦略
個人向け国債と同じく、金も FIRE 直前 5-10 年で比率を上げる のが王道。
例: 50 歳までは金 5%、55 歳から 10%、60 歳で 15% にスライド。 FIRE 直後の暴落耐性を強化する戦略。