ポートフォリオに個人向け国債 (変動 10 年) を加える効果 — 守りの 10-20%
「全部株式」のポートフォリオは本当に安全か?
FIRE 系の発信で「インデックス投資は長期で必ず上がる」「現金は持っているだけで損」と言われがち。 確かに長期では株式が他の資産を上回ってきましたが、子育てファミリーの 30 年では「短期の暴落」が刺さる。
この記事では、ポートフォリオの 10-20% を 個人向け国債 (変動 10 年)に振り分ける効果を解説します。
個人向け国債 (変動 10 年) とは
- 日本国が発行する個人向け債券、満期 10 年
- 金利は 6 ヶ月ごとに見直し (基準金利の 0.66 倍)
- 元本保証 (購入から 1 年経過後はいつでも中途換金可)
- 下限金利 0.05% (どんなに金利が下がってもこの水準は保証)
- 最小購入単位 1 万円
2024-2026 年の金利上昇局面では、年率 0.6-1.0% 程度の利回りに上がっています。
3 つの「守りの効果」
効果 1: 暴落耐性
株式が -50% 暴落しても、個人向け国債は 元本割れしない。 ポートフォリオの 20% を国債にしていれば、暴落時の含み損は -40% にとどまる (株 80% × -50% + 国債 20% × 0%)。
暴落時に「資産が半減した」というメンタルダメージを大幅に減らせる。 途中で投売りせずに済む心理的余裕は、長期投資の継続性に直結します。
効果 2: インフレ耐性
変動 10 年は 金利上昇に追随。 インフレ局面では基準金利が上がり、国債の利回りも上がります。
固定金利の債券ファンドだと「金利上昇で価格が下落」する弱点がありますが、 変動 10 年はそれがない。インフレヘッジとして優秀。
効果 3: 教育費取り崩しの安全弁
子供の大学進学時 (親 50 代前半) の教育費取り崩しで、株式を売らずに済む のが大きい。
国債を先に取り崩す → 株式は運用継続 → 暴落時にも売却せず → 回復まで持てる。 これが原則 1 で示した「教育費ピーク前に守りを厚く」の具体策です。
具体的な配分例
世帯資産 (現金除く) の構成例を 3 パターンで:
パターン A: 守り重視 (40-50 代向け)
- 全世界株 60%
- 個人向け国債 20%
- 金 (Gold) 10%
- その他 (現金・REIT 等) 10%
パターン B: バランス型 (推奨)
- 全世界株 70%
- 個人向け国債 15%
- 金 (Gold) 5%
- その他 10%
パターン C: 攻め重視 (30 代後半向け)
- 全世界株 85%
- 個人向け国債 10%
- その他 5%
パターン B (国債 15%) が、リスク許容度・期待リターン・教育費安全弁のバランスが最も取れます。
FIRE 達成年齢への影響
人生コンパスのデフォルトシナリオで、国債比率を変えた場合の試算:
- 国債 0% (全世界株 100%): FIRE 約 54 歳
- 国債 10%: FIRE 約 54-55 歳 (ほぼ同じ、ただし悲観 P10 シナリオで優位)
- 国債 20%: FIRE 約 55-56 歳 (期待リターンが少し下がる)
達成年齢の差は 1-2 年。それより重要なのは 悲観シナリオでの耐性。 国債 20% を持つと、リーマン級暴落でも FIRE 計画が大きくズレないケースが多い。
iDeCo での活用が特に有効
iDeCo は受給開始 (60 歳以降) に近づくほど、リスクを下げたい。 受給開始 5-10 年前から段階的に iDeCo の中身を株式 → 個人向け国債にスライドするのが王道戦略。
例: 55 歳時点で iDeCo 残高 1,000 万 → 全世界株 600 万 + 個人向け国債 400 万、 60 歳までに 全世界株 200 万 + 個人向け国債 800 万、にスライド。
購入方法
個人向け国債は以下で購入可能 (証券会社経由):
- SBI 証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券 等
- 毎月発行 (募集期間あり)
- NISA 対象外 (NISA 枠は使えない、特定口座や iDeCo で保有)